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    帰英前夜

    春の恒例で私ひとり3週間、親の様子を見に東京で過ごした。帰りは羽田早朝発便なので、いつも出発ターミナル内のホテルに泊まることにしている。お値段的にはちょっと背伸びだが、3週間母と喋って夜更かしした後腰痛になりそうなソファーに寝て、毎朝5時半には父の立てる物音に叩き起こされた後では、まあ自分にご褒美あげてもいいかなと思って。

    ひとりでいるのが大好き、というより時々ひとりでいないと頭がおかしくなる私にとっては、すごく必要な休息時間だ。

    3時ごろ空港に着いてドンキホーテとかで安いお土産を買い、スーツケースを受け取って、増えた荷物を収納。コンビニの日本酒、おにぎりやカニカマなどで晩ごはんにした。入浴剤を入れてお風呂を二回。アホみたいな日本のテレビを見るともなく見ている。そろそろ眠ろうかな。明日は早く起きてお寿司を食べてから搭乗するつもりなので。

    おやすみなさい。

    赦すこと

    アイツのおかげで私は‥‥と思うことが誰しも一つや二つはある。大抵の人が、誰かの手で、取り返しのつかない、時にすら癒せない傷を負ったまま、なんとかやってきたのだろう。謝ってもらうとか治してもらうとかの次元でない加害者を、赦すことってできるのだろうか。

    できるできないではなく、赦すより他に方法がない。

    なぜって、ソイツは、いつまでも存在してはくれないから。恨む対象として存在し続けてくれれば、恨みようもあるけれど、いなくなったら、恨んでどうなるのか。恨んでいる自分も、いなくなるのに。

    私は遺伝子と環境でできている。ありがたいものも、迷惑なものも、もらって自分の血肉となってきた。犯人が明らかで手の届く場所にいた場合は、これは迷惑だったんだよ、どうしてくれると喚いたこともある。でも、当惑したり逆ギレしたりの反応から得るものは何もなく、私一人が傷ついていれば済むことを加害者まで傷つけて、ロクなことにならなかった。

    ハンプティダンプティ、割れちゃった卵。元には戻らない。割った人を責めたって、割れたものは割れたまま。

    割ったヤツを責める楽しみってものがあるとして、やっても何も返ってこないし、そのうちやることすらできなくなるし、そうしたらどうするの?

    割れた状態でオムレツ作るしかないんじゃないの?

    自己責任ということ

    この間、カズオイシグロの『日の名残り』について日本の知人と話していた。「誤った選択であっても自らの責任で犯した誤りだったと言えるダーリントン卿と、卿の選択に従っただけの執事では立場が違いすぎる」と私が言うと、彼は「でも従うという選択をしたのは、自己責任でしょ」と言った。

    自己責任、という言葉が流行語のようになって久しい。ワザワザ危険地域に渡航し怖い人達に捕まって国家を巻き込む騒ぎを起こした人などを叩くのに盛んに使われる。

    私が幼い頃、母方の祖父が上京してくる度、夕食どきに両親と祖父が議論を交わしていた。日本基督教団は、自分たちが第二次世界大戦において政局に迎合し加担したという「戦争責任告白」なるものを公にしていた。その告白に、一言で言えば両親は賛成し、祖父は反対していたのだ。

    星目がちな理想主義者だった母は、篤信で人望厚い田舎の名士である父親が自らの非を認めないことに驚いていた。「どうしようもなかった。選択の余地がなかったんだ」と言う祖父に「お父さん、どうしてそんなことが言えるの」と詰め寄った。戦争中にはまだ子供だった世代に、徴兵され洗脳され殺戮に加わった世代の心中がわかるはずもなかった。

    私には、今になって祖父の言い分がいくらかわかる。自分のことを自分で決められないことを、従属という。自由がないということ。自分の心ではなく庇護者・所有者に“従う”者。大人に対して子供はそういう立場にある。国家に対して国民がそういう立場にあってはいけないのだが、ある。

    日本の政治は、国民の大多数を有象無象の衆にすることに成功してきた。戦前戦中戦後を通し、日本の報道と教育は、知識と技術だけは教え込みながら物事を自分の頭で考え選びとる力を養わないという離れ業をブレずに演じてきた。

    民主主義だ主権在民だ選挙権だと言われても、自由って何それ美味しいのという民にその器はない。考える力がなければ、新聞を読んでもテレビを観ても街頭演説を聞いても、本質が理解できない。だから責任ある一票を投じようがない。

    アメリカの南北戦争後に奴隷の身分から解き放たれ自分の意思と責任で人生を切り拓いていけるようになったのが、自由民。間違った選択であっても自らの選択だったと言えたダーリントン卿にはあり、従っただけの執事にはなかったのが、自由。自由は当然の権利ではなく、特権だ。

    自由のない身には、責任能力もありようがないと思うのはおかしいだろうか。そして自由をもつ特権階級には、比例する責任があるはずだが、それを体現する政治家や資産家にお目にかかることは非常に珍しい気がする。

    馴初め

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    すべてを忍び、すべてを信じ

    自分で自分の記事をリブログって恥ずかしいんですけど、ふと思ったので。

    「フランス女が目指すのは、官能的、性的、優美で成熟した女。女王と言っていいだろう。日本女が目指すのは、あどけなく、弱く、無防備で無垢で低脳な幼女。王女と言うにも幼すぎるだろう。

    そこで終わればまだいいのだが、日本の内股な“幼女”は同時に、すべてを包み込み耐え忍び養い続ける“太母”でなければならない。フランス女のように“女”一辺倒でいるのもご苦労な話だが、それどころの難易度ではない。」

    すべてを包み込み耐え忍び養い続ける“太母”って‥‥いわゆる愛じゃないですか。聖書で言うところの。「愛はすべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える」(コリント人への手紙13章)。こういう愛は、女に、あるいは母性にだけ求められるものなのか。あらゆる生き物に内在しているものなのか。

    そんな無茶な。私に限って言えば、そんな高尚な愛は持ち合わせていません。猫に対して以外は。

    日本女には無理難題に近い愛がまるで前提条件みたいに要求される一方、フランス女には、愛される資質だけが求められ、愛する能力・努力は不問なのか。

    夫の母(故人)について聞く限りは、また私が出会ったフランス女性の印象としては、そんな感じがするけれど。

    誰かに作ってもらう食事

    スペインの友達が息子(16歳)を連れて泊まりにきた。ああ、また偏食王子の到来かとゲンナリしていたら、意外と何でも食べる子で、助かった。アニメ漫画大好きの日本オタクなんだそうだ。

    お父さんの方は、戯画的によくある面相で、映画で「スペインの警察官」とか「メキシコの裁判官」とかで出てくる、いわゆる小太りのエラソーなスペイン親父。実際某警備会社のお偉いさんで、経費で名所に行きまくり美味しいもの食べまくっているので、味にはうるさい。

    マドリッドでミシュラン三ツ星レストランを営む有名シェフがロンドンに出してる実験的な店というのに連れてってくれた。アジアの屋台の味とミシュランの洗練度のフュージョンという触込みだった。結果は、どっぷり残念。シェフが味噌と柑橘と胡麻の味に魅せられてるのは分かったが、そのどれ一つとして極めてない。餃子の上にサーモンの刺身を載せる始末で、ただの勉強不足、知りもしないアジア食材を物珍しげに使ってみましたという、中学生の料理みたいだった。

    その店で出てきた「ラーメン」という代物に憤慨した私は、スペイン親子にどうしても本物を食べさせたくて、翌日うちでラーメンを作った。醤油ラーメンは、醤油+酒+ニンニク+味醂のタレ(自分で食べるため冷蔵庫に常備)に、昆布と椎茸を一晩浸して当日鰹節で仕上げたダシで鶏もも肉を煮たスープを合わせた。前晩から半熟味卵も用意しておいた。具はメンマ、海苔、卵、ネギのみ。味噌ラーメンの方は簡単に、ニンニクと生姜で野菜を胡麻油で炒め味噌と酒で味つけて、同じスープを合わせた。

    結果、お箸も上手に使えない初心者の親子が、スープまで全部飲み干す完食っぷりだった。「このフレーバーは何だ? テクスチュアは?」「いや、そりゃ出汁といって。グルタミンとイノシンとグアニルって旨味成分、あるじゃないっすか。ね? 野菜はシャキッと炒めるもんでして。理由とか知らないんですけど」。

    などと説明にならない説明をしながら私は、実は、イマイチかな〜と思ったのだった。そんなに美味しいとは思わなかった。自分で作るといつもそうだ。逆に、ものすごく高かったレストランの料理も、実際以上にも以下にも美味しいとは感じなかった。

    誰かが自分のためだけに目の前で作ってくれた料理は、それだけで何割増か美味しいのかもしれない。たぶん、そういうことなんだ。
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

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