義理家族とクリスマス

    クリスマスに夫家族と過ごすのが苦痛という話をよく聞く。日本でも正月の苦しみはあるようだが、言葉がじゅうぶん通じない義理家族はことさら面倒ということで…。

    思うに、ノルウェーのクリスマスは伝統主義だった。24日の昼までに家を磨き立て子供を風呂に入れ全員民族衣装またはスーツにネクタイ・ドレスで着飾って、午後三時に暗くなる頃教会へ行く。教会へ行く前に豚をオーブンに入れておく。ちなみに、ノルウェー人の大半が、この日と冠婚葬祭以外はまったく教会へは行かない。そして午後四時過ぎ、両親の元へ子供と孫が集まり、大飯が始まる。

    メニューは地方差がある。私の居た中部ノルウェーでは24日はリッベ(豚バラ肉の塊のオーブン焼き)とソーセージ各種、スエード(蕪と人参の間の子のような根菜)のマッシュ、茹でジャガイモ、アクアビットとビールだった。25日にはグロット(お米のミルク粥)で目覚め、夕方ピンネショット(羊バラの干し肉を蒸したもの)。ルーテフィスク(タラを石灰液に長期間浸して微妙に腐敗させたもの)はクリスマス前の時期によく食べる。

    カロリーの塊を完食した頃、プレゼント開きの儀式。ツリーの下に集めておいた包みの名前を確認しつつ全員に配る。これが私は大嫌いだった。よく知らない人にも何か考えて買っておかねばならない。欲しくないものをもらった場合、27日以降店で交換するのが普通の流儀だ。手作りの鍋つまみなどもらった日にはどうしようもないが。なんだか、必要なモノはすべて持っている同士で無理矢理の“愛”のやりとりって…。

    ノルウェーの家族というのは、現実に崩壊している分殊更に親密さを演出しているようで、確かにあそこに嫁に行ったらしんどいかもしれない。

    フランスのクリスマスは初めてだしこの一族しか知らないので何とも言えないが、この家は宗教色は皆無。教会にも行かないしクリスマスソングも流れていない。食べ物も特に決まりはないようだ。昨日は牡蠣とスモークサーモン、今日は鴨…。ただ一族郎党の集まり方はノルウェーより大規模かもしれない。人数が多いだけに、私だけ言葉の分からない外国人だからといって特に構われるわけでもなし、適当に紛れて、気苦労はない。今のところ。

    昔々、東京のうちでは、毎年クリスマスには父方の祖父母宅に親族が集まって、家庭礼拝をしてからご飯を食べ、子供たちだけがプレゼントをもらった。聖書の降誕のくだりを音読させられるのがちょっと嫌だった。あれはあれで、キリスト教じゃない環境から嫁に来た叔母たちには面倒な雰囲気だったろうな。ずいぶん昔の話だ…。

    テーマ : ヨーロッパ
    ジャンル : 海外情報

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    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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