そもそもテロとも違う気が

    シャルリー・エブド事件についてとてもさらっとした記事を書く女の子(と言っては失礼かな?)のブログを目にして、あまりに澄んだ洞察に思わずコメントした。

    “エブド社がイスラム教を皮肉→過激派が脅す→エブド社やめない→過激派の攻撃といういたってシンプルな構図なんです。でもそもそもテロとも違うような気がするのですが。”とお返事があった。

    そうだ‥‥! これはテロなんて大仰な、政治的なものじゃない。個人の悲劇だ。フランスに愛されないフランス人が起こした私怨の犯罪。ノルウェー大量虐殺犯のブレイヴィクと同じように、居所を見つけられなかった若者が暴発した事件、フランス社会(ノルウェー社会)の失敗が生んだ悲劇だ。

    気が弱かったり、性的指向が違ったり、身体能力が違ったり、宗教や人種がヤバかったり‥‥いろんな理由で疎外感に苛まれる人がいる。どこの社会にもいる。そういう人を受け容れて、愛して、育んでいけないのは、人間の集合体である社会のどうにもならない業かもしれない。はじかれる側にも強い人と弱い人がいて、強い人は逆境をバネにしたり、するべき主張をしたりできる。弱い人は‥‥特に男の子は‥‥不満の捌け口を危険な思想や犯罪に求めやすい。女の子の場合は、自己破壊に向かう割合が高いと思う。

    フランスが今すべきことは、表現の自由なんてお題目を叫ぶことじゃない。フランスの切っても切れない一部であるイスラム教徒のフランス人を、フランス人として包み込む努力だ。だって、彼らは招かれざる客じゃない。来るべくして来た、フランス史の必然なのだから。

    もちろん、日常レベルでイスラム教徒と渡りあっている夫や私は、彼らのイライラさせる性癖も知っている。あの被り物なんとかしてよとか、何その女性観とか、ラマダンは勝手だけど仕事はちゃんとしてよとか、思う。でも彼らは、あくまでイライラさせる同僚や隣人であって、敵じゃないのだ。

    テーマ : ヨーロッパ
    ジャンル : 海外情報

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

    最新記事
    最新コメント
    カレンダー
    プルダウン 降順 昇順 年別

    07月 | 2017年08月 | 09月
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -


    カテゴリ
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    リンク
    フリーエリア
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR