Fraternité と愛の違い

    私が「自由・平等・愛の愛はどうした」と言っていたら、夫が考え込んだ。「Fraternité ってのは愛っていうより連帯なんだよね」。「へっ? 日本語の“愛”はエロス(性愛・恋)、フィリア(友愛・人類愛)、アガペ(無私の愛・神の愛)を包括する言葉で、fraternité ってフィリアだと思ってた」。

    実際、日仏の辞書では“友愛”となっている。白状するが情けないことに私のフランス知識の礎となっている『ベルサイユのばら』でも、オスカル様は“自由・平等・博愛“と喚いていた。

    フランス

    どうも、現代フランス人の解釈は違うようだ。少なくともうちのフランス人のは。

    夫:フランスは確かにエロスの国だけど、人類愛の国とは言えないなぁ。他者を慮るって意味での愛は、フランス人にとってあまり重要とは思えない。僕もそうだけど、権威や体制を出し抜くのが国民的娯楽だから、地下鉄の改札飛びとか、脱税とか、良心の呵責ないしね。
    妻:それって、究極的には納税者たる他者から騙し取ってるっていう意識が希薄なのね。
    夫:そこまで考えてない。反抗してやれってだけで。
    妻:日本語では中2病っていうんだよ、そういうの。

    そんなこと言いながら夫は、平気でバスの座席に泥靴を載せたり路上にゴミを捨てるヨーロッパ人の公徳心の低さに眉をしかめる。ラテン系、後先を考えない人たちには違いないね。

    スペイン・イタリアのような完璧なラテンではなく、ドイツ・北欧のような完璧ゲルマンでもないけど、前者の喧嘩っ早さや無責任なところと後者の冷たいところが混在していて、とっても扱いにくいおフランス。

    ともかく、翻訳は限りなく不可能に近いというお話です。

    テーマ : ヨーロッパ
    ジャンル : 海外情報

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    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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