これまでのあらすじ The story so far

    私はロンドンのテムズの南、ガラの悪い地域にポツンと建つ大きな古い建物の一角に住んでいます。昔、王立士官学校だった建物を不動産屋が再開発して宅地にしたものです(いわゆるgated development)。

    2011年夏から2013年秋まではデュッセルドルフ(ドイツ)に住んでいました。ヨーロッパで日本人が最も集中しているといわれる街です。あの街の日本人の大多数は駐在さんとその家族、そしてワーキングホリデーで来ている若い人で、2〜4年で日本へ帰るか他の国へ赴任していきます。日本に根っこをもたない私の同類はあまり多くないようでした。

    夫カエルの仕事でドイツへ移る前は、二人でロンドンに、その前はスペイン北部のサンセバスティアンに住んでいました。さらに前、私は不注意にも住み着いてしまったノルウェーで13年間、雪と氷に埋もれていました。仮死状態に近かったです。南欧から暖かい風に乗って迎えにきたカエルに不注意に飛びついたのも頷けます。

    イギリスには昔から縁があり、お気楽なロンドン暮らしは気に入っていたので、カエルに「ドイツ行こ」と言われた時は「そんな殺生な」と言ってはみたのです。が、成り行きだ成り行き。およそ望ましくない事態が起きてもスグそう思ってしまい抗わないところが、私の不注意たる所以です。というわけで引っ越し〜。以来、修理や工事の人にしたら最高、警察官にしたら最低のドイツ人に囲まれて大人しくしていました。しかしやっぱりドイツの警察官(とそれに似たノリの人々)はイヤでした。

    ドイツ生まれの猫(ちゃんとドイツのパスポートを持ってます)を連れ、親子3人(?)ロンドンの我が家に戻れて、ホッとしているところです。

    話は遡りますが、ノルウェーに行く前の私はいちおう日本に本拠を置いて、合間にイギリスとフィンランドに各2年程度滞在しました。日本では出版社に勤めたあと、フリーターといいますか、編集・翻訳・執筆・通訳で生計を立てていました。いい加減な暮らしです。しかしバブル期だったおかげで仕事に欠くことはなく、結婚してくれるような奴はいなくても飲み友達には不自由せず、オバサンになるまでそこそこ稼いでマンションでも買って独りでいる青写真もあったのです。でもやっぱり無理でした。無計画なうえに怠け者なのですから。

    いやに英語ができたせいで変なイギリス人に見初められ、「結婚は惚れるより惚れられてしろ」なんて誰に言われたのか覚えていないけれど誰かに言われてその気になり、そいつがノルウェーに住んでいたものだから何も考えずにノルウェーに行ってしまいました。これが案の定おもいっきりヘンなやつで、いくら惚れられても惚れるには至らず大脱走。そのあと運よく大学で日本語を教える仕事を得て、他にも小銭稼ぎの仕事はあったし、まあ友達もいたし‥‥べつに日本へ帰るだけの動機もなかったのでそのままノルウェーに居座っていたというような具合です。カエルに会うまでは。

    ハンドルネームの“シカ”ですが、これは本名の一字です。昔、私の役立たずぶりに往生した上司が「おい、シカ! 」と私を呼んだのです。「はあ?」「シカっちゅうのは頭の悪い動物でな。点は分かるが線が分からんのや」。それ以来、なんかこう自己イメージの低下というか、シカ気分が続いていて、日本語の分からない夫にまでご丁寧に、私の名前のシカって字はね、バカのカなのよね、と説明してしまったりして。それでシカと呼ばれているのです。

    夫の呼び名“カエル”のほうは、イギリスにおけるフランス人の蔑称 Frog そのまんまです。フランス人はカエルを食べるというので frog eater がつづまってfrog となったそうです。ついでに、夫は出目気味で舌がよく動き(口八丁手八丁で)、手脚が長く腿の筋肉が発達しているので、実際カエルによく似ています。

    “ネコ”は、本当にネコという名前の黒猫です。ドイツのパスポートにも、ネコ・シカと書いてあります。

    テーマ : 海外生活
    ジャンル : 海外情報

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    非公開コメント

    注意深いのもネ

    不注意もいいんじゃないの。
    注意深いというか臆病な僕は石橋を叩き過ぎて幾つも壊し続けて現在に至る。
    しかしノルウェー13年は長かったねえ。

    Re: 注意深いのもネ

    行き過ぎはどっちもどっちでんなぁ。

    No title

    はじめまして、、
    私の旅の始まりはデュッセルドルフでした。
    私はあの街も好きですが、一生住むのはむりですね。
    とにかく暖かい所が好きです。
    と言うわけで今はシドニーに住んでいます。
    ロンドンに定住しそうですか?
    それとも他の国に住むかもしれまれないかな?
    人生一度ですから楽しまないとね。
    ヨーロッパもすばらしいけど、
    やっぱり移民の国が私には会っているようです。
    でもたまには戻ってみたいけど遠いのが、、、。
    皆さんのブログを見て楽しむだけです。

    Re: No title

    takechanさま
    ブログ、ときどき拝見してます。時代の一歩先を歩んでこられたのですね!
    私も、移民国家と非移民国家の違いは痛感します。日本もヨーロッパ同様ある民族が“主”でそれ以外は異邦人というフォーマットですね。入植者が作り上げてきた—誰もが元を正せば移民だったー国々とは、根本が違って当たり前ですから。
    移民国家に住もうかなあという気がないでもないのですが、ヨーロッパの面倒くささや暗さ・エグ味も、クセになるとやめられないものがありまして‥‥。夫婦とも、引退後どこに住もうかと悩んでいるところです。

    No title

    はじめまして。
    このままシカ様のブログを読み続けていたいのですが、夜が明けてしまいそうですので、とにかく一端、リンクを貼らせてくださいまし。
    FC2ブログの足跡から飛ぶことはほとんどないのですが、お宝の匂いがしたので飛んでみたら正解でした。一回、寝てから出直します。

    Re: No title

    ご訪問ありがとうございます。私、普段はスポーツにまったく関心がないのですが、あの日の午後ぼんやりテレビをつけていたらBBCでソチ五輪の生中継をやっていて、浅田真央さんのあのフリー演技が始まるところでした。以来、フィギュアスケート関係のサイトを情報を求めて徘徊しております。mikaidou様のブログもそんなわけで拝読しておりました。
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

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