平凡の偉大さ

    アルジェリアでフランス人観光客が拉致された日曜日、夫は仕事でアルジェリアにいた。私はその日のお昼、例のご近所さん(アンゴラ系スペイン人Mさん+日本人Cさん夫妻)に招かれて楽しい時を過ごした。

    翌朝Cさんから「ディディエさん大丈夫? Mが心配してて」とメールが来た。私は、過去20年にわたり月1ペースで行っている夫は危険な場所や時間帯を知っているので、心配していなかった。そういえばMさんはまえに、ディディエと居るとスペインの養父を思い出すと言っていた。親愛の情があるから心配したのだろう。

    人が心にかけてくれるのは、素直にありがたいものだ。年をとると素直になるのかな。以前の私は「私は大丈夫、自分の心配は自分でするからほっといて」という構えだった。若さの傲慢だったのかなと思う。今では、「実は大丈夫だけど、心配してくれてうれしいです」なんて調子のいいことを言うようになった。

    喜びは分かち合えば2倍、痛みは分かち合えば半分‥‥。成長(加齢?)につれどんどん陳腐になっていく自分を見て、平凡の偉大さをようやく理解しはじめたところだ。平凡が、生まれて育ち老い死んでいくという、人が時の流れの中で絶え間なく性懲りもなく繰り返してきた経験から導き出された最大公約数だとすれば。

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    シンクロしたのでしょうか、昨日我が家でも「いかに平凡に人生を生き抜くか」をテーマに、夜中の3時まで家族会議でした。波乱万丈を生きざるをえなかった「わたし」が【平凡】を力説すると説得力があるようで、皆の反応を見ていると面白かったです。

    自分に関係する人間にどこか面影を見出してしまうのは、シカさんがおっしゃるように親愛の情の証ですよね。
    人と生きていく大変さよりも喜びを知ってしまった今、ひとりで生きていく! ひとりでも大丈夫!などわたしの口から二度と出てこないでしょう。封印です(笑)

    ※旦那さん、アルジェリアに行かれているのですね。あの事件以来、ふと思うのですよ、もし自分がその場に居合わせたらって。わたしはフランスと無縁ではない。荷物を物色すれば、日本よりもフランスとのつながりが強いことはすぐにばれてしまいます。日本人を主張して命乞いをするかとその場を想像すれば、おそらくしないだろうなって。フランスへの忠誠なんかではなくって、それこそ情なんだと思います。
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    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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