自己愛

    暇な頭は悪魔の仕事場。最近、ある重大な疑問が頭をもたげている。私の母は、私を愛したことなどなかったのではないかという疑問。

    私の父は若い頃、自己愛人格障害じみたところがあった。自分の容貌に惚れていて、それを隠そうともしなかった。芸能人と同じで、自分は美しいと信じている人は相手をそう思い込ませるオーラを放つ。なので周りにも美男だとチヤホヤされていた。科学的に分析して美男だったかどうかは疑わしい。

    その夫に悩まされたお陰か、夫の遺伝子を娘の私に認めたのか母は、娘(私)も自己愛人格障害だと言いつづけた。なので私もそう思い込んできた。ところが先日ふと私、「そうかね?」と思ってしまったのだ。自己愛のない人なんていない。私の自己愛が障害レベルにまで桁はずれているとは、本当か?

    母は私を綺麗だと言ったことが一度もない。私がちょっと頑張ってお洒落などして母に「どうかな」と訊くと必ず、「まあええんちゃう。綺麗とは言わんけど目立つわ」というような評し方をした。娘としては気になって、やっぱあかんのかなーと鏡を覗いたりする。私がそうして鏡を見ているのをつかまえるたび母は「やっぱりあんたは自己愛人格」という反応をした。

    しかし‥‥本当に自己愛人格障害だったのは、母じゃないのか?

    彼女は情熱的な人ではある。思い込みが強い。人であれモノであれ、何かを好きと決めると非常に熱心に構う。しかしもの凄く鈍感な一面がある。つまり、自分がその対象を構うことに熱心なのであって、その働きかけが対象にどう影響しているかには関心がない。あれが自己愛じゃなかったら何が自己愛なんだろう?

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    母の呪縛

    お互いに日本から離れた場所に暮らしているというのに、なぜ母親への疑問が日常に紛れ込んでくるのでしょうか。逆に距離があるからこそ、冷静にその疑問に気付けてしまうのでしょうか。母に振り回されてきたので、あれはなんだったのだろう?とどうしても答えが欲しくなってしまいます。

    なにかで読んだのか、それともドキュメンタリーだったか定かではありませんが、母娘の問題は、時代が影響していると。日本がまだ貧しく、女性の地位が確立されていなかった時代に生きた女性たちと(いまだって日本では女性の地位は低いままですが)、その時代からは考えられないくらい恵まれた環境に生まれたその女性たちの娘に対して、彼女たちが自覚できない嫉妬が隠されていると。時代の犠牲者は身内を犠牲にして心の平静を保とうとする心理だとか。わたしは妙に納得してしまったのですが。

    ※シカさん、お美しいです❤

    Re: 母の呪縛

    「あれはなんだったんだろう?」—それに尽きます!

    白雪姫の継母は元本では実母だった‥‥という事実を10代の私に教えたのは母(臨床心理士)自身でした。「でもママは違うよね、あなたを本当に愛しているよね」と私に魔法をかけながら。

    母の娘への嫉妬は、二人の育つ境遇が違いすぎた戦後日本でありがちだったという説、本当ですね。その本質は白雪姫の昔から時と文化を隔てても変わらないとも思いますが‥‥。
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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