そうしてカエルさんはお腹がはち切れましたとさ。

    昔々、フランスのある村で、クリスマスのお祝いに、老カエル父母の元へ一族が集まりました。6人兄弟(+配偶者)、孫(+配偶者)、ひ孫の総勢40匹です。老父母の小さな家には収まりませんから2つ星ホテルをほぼ借り切って3泊4日です。

    ところでフランスのホテルは質の低さで有名です。3つ星だとかなり怪しく、4つ星でようやく許せる程度なので、2つ星ときては…想像にお任せします。お食事中の方は想像もしないでください。大きな猫が3匹いて、その臭いと毛が古い設備に趣を加えていた、とだけ描写しておきましょう。

    しかし台所は頑張りました。高価ではない食材ながら趣向を凝らして準備され、サービスも心がこもっていて、カエルたちは大満足。猫アレルギーの兄嫁でさえ、アペリティフ、シャンパンと食事の時には必ず姿を見せる健闘ぶりでした。

    三男ディディエのフランス語の分からない嫁は、会話に参加しなくてよいのをいいことに飲んだり食べたり。この嫁はカエルではなく日本産のシカなのですが、カエルたちもシカに飲ませると面白いといってどんどん酒を注ぐのです。

    七面鳥、虚勢した雄鶏、栗、チーズ…。シカはちょこっとずつ全部味見したいと思って、なんて言うのと訊いたら「アンプティプードトゥ、シルヴプレー」と教えられ、ギャルソンにそう言ったらテンコ盛りされました。こうしてまるまる太らされたシカ、さいごには義理甥の嫁(ノルウェー人)につかまって、3時間に及ぶディナーの間みっちりとノルウェー語の復習をさせられました。シカ肉ステーキにされアンズ茸ソースをつけて食べられなかっただけでも感謝すべきです。

    そうしてカエルさんたちはみんな、お腹がはち切れましたとさ。ほうほうの体でドイツへ逃げ帰ったシカは、飲み過ぎたことを反省しつつ、酔い覚ましの日本酒を傾けています。

    テーマ : フランス
    ジャンル : 海外情報

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    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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