シケモク

    この頃けっこう寒い。-10℃ぐらいかな。煙草を吸う時はベランダに出るのだが、1本吸い終わるには寒すぎる。おかげで灰皿には常に、長いまっすぐなシケモクが数本溜まっている。
    5~6年前、在外邦人日本語教師研修で日本にいた時、ジャマイカ在住の同業者が宿舎の庭でシケモクを吸っていた。「えっ、日本は煙草安いのに(当時はヨーロッパに比べて半値以下だった)、シケモク?」と小さい目を丸くする私に、「シケモクの方がおいしいのよ。知らないの?」とそのお姉は言った。
    お姉は昔は新宿で“ヤラずボッタクリ”の店をやっていたとかいう強者で、人情に厚く酸いも甘いも噛み分けた感じの人だった。そうか、私もいつか大きくなったらシケモクの味がわかるのかと感服したのを覚えている。
    はてさて、ベランダの灰皿に鎮座するシケモク。なんかこれでは、いくら免税品とはいえ、山や海の神様に申し訳ないような気がして、1本くわえてみた。

    ……うまい。
    ………うまい。
    …………新鮮な煙草より、うまい。

    そうか。彼女は純粋な感想を述べていたのか。そうだったのか。

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    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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