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    ソリダリティ

    街のヘタクソ合唱団にダウン症の女性ベッキーがいる。完全な音痴で大きな声で歌う彼女の破壊力に私は困惑していた。よく知らない歌の時に近くに立たれると、何を歌っているのかわからなくなるからだ。

    クリスマスツアー(?)が始まって3回目の昨日(日曜日)、昼過ぎから夕方まで地元で人気のパブ二軒と老人ホーム一軒を周った。『聖しこの夜』を日本語で歌う時、いつもはおじいさん二人組が一緒に歌ってくれる。昔はウエストエンドのパブやレストランで歌っていたという頼もしいセミプロの老紳士方、朗々と歌う。しかし昨日は、なぜか二人とも出現しなかった。

    ケイティ(リーダー):どうする? 一人で歌える?
    シカ:あ、はい。じゃあ歌います。

    今が旬のシカ(トナカイ)、場面に合わせてトナカイ柄の黒トレーナーにトナカイの角までつけて登場したものの、首を絞められた鶏とはこのことかというソロが2回繰り返された。3回目の始まる直前、なんとベッキーとケイティが2番をデュエットするという。1番を全員斉唱、2番をベッキー&ケイティ、3番をシカ、4番を全員ハーモニーという趣向。つまり、ハンディキャップの独唱はシカ一人じゃなくなったのだ!

    ベッキーが調子外れに歌い終わった途端、温かい拍手が会場を包んだ。興奮と恥ずかしさで楽譜で顔を隠してしまったベッキーを、私は思わず抱きしめていた。まさかの愛情が、瞬間に沸き起こった。ベッキーは、子供のようにむぎゅっと抱き返してきた。これまで、なんか知らない外国の人として私を怖がっていた彼女が。

    すぐに始まった3番では私は妙に落ち着いて、上手ではないけど普通に歌うことができた。声量がないのも、高音がかすれるのも、この際仕方がない。ケイティの大きな目をじっと見つめて最後まで歌うことだけ考えた。

    日ごろ障がい者にあまり関心もなく、どちらかというと冷たく自分勝手な私にとって、ベッキーとの小さな出会いは冬の夕べにポッと灯った蝋燭のようだった。

    Although it's been said many times, many ways, Merry Christmas to you :)
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    テーマ : イギリス
    ジャンル : 海外情報

    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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