フランス人夫がみんなカスなわけ、ないでしょ

    なにやら国際結婚に憧れる人向けのサイトというものに出くわして、つらつら読んでいた。

    ここに列記してあるようなのって、フランス人うんぬんじゃなく、国籍問わずカスと結婚したら当然起こる問題の数々だ。相手の置かれた状況やハンディキャップへの想像力と共感力がない、自分のこれまでの生活の快適さは一つも失わず相手にだけ適応努力を求める。“自国”を“実家”とか“自分のキャリア設計”とかに置き換えれば日本人同士の結婚でもよくあるんではと思う。

    夫婦間に相互扶養義務という考えがないのは日本とちょっと違うかもしれない。でも実際に諸般の事情で生計能力の劣る外国人配偶者に、そのことをなじる、無理やりにでも外で働かせようとする‥‥としたら、何国人以前に人としておかしい。と、私は思う。

    カエルにも収入が不安定な時期があった。そんな時、君も働けないかな〜と一緒に知恵を絞りはした。シカもノルウェーで長い間働いてたわけだから、国が変わっても就業は可能だろうと二人とも思ったのだ。でも現実には、日本人中年女性が、それまでの居住国と専門を離れて移住した国でいきなり定職にありつくのは難儀だ。

    英語なんか中途半端だって若ければ日系企業は雇ってくれる。しかし日本企業文化に於けるオバサンの商品価値はめっぽう低い。日本人であることに無関係な仕事‥‥掃除やスーパーの店員‥‥ならある。私はそういう仕事でいいと思って探し始めたのだが、夫は「そこまでしなくていい、つか、して欲しくない」と言った。

    その辺りで夫も腹をくくったらしく、せっせと稼ぎはじめた。もともと生命力のある人なので、やればやっただけ安定が戻ってきた。私も、彼に出会った時点で学歴が収入がといった“スペック“はまるで念頭になかったが、内面に substance のある人(まともな人)かどうかはすごく見ていた。

    カスと結婚してやっていく力が自分にないことは、最初の結婚の失敗でよくわかっていたから。

    カスを選んで結婚してしまった場合、それがせめて自国でのことなら、地縁血縁・思いのまま操ることのできる言語・慣れ親しんだ文化や気候風土・そしてこれまでに築いた全て‥‥といった安全網がある。それがない分、カス相手の国際結婚では、たいへん心細い状況に陥る。

    誰かとこの先ずっと一緒に暮らしていこうと決める前に、自分のことも相手のことも、表層じゃなく本当に大切な資質と力量を見極める力が肝要だ。

    テーマ : 国際結婚
    ジャンル : 結婚・家庭生活

    今以上に酷くならないように

    今朝、年末年始休暇で何もかも閉まる前に念のためもう一回医者に行ってきた。

    インフルエンザと肺炎を併発してたので、インフルエンザのほうは完走してあとは良くなる一方だが、肺炎は進展なしということだった。どうりで熱と咳が治らないわけだ。

    最初に処方されたペニシリン系抗生物質が効かなかったわけなので、マクロライド系のが一週間分出された。

    「きちんと治しとかないと後々、慢性的になると困りますからね」と、若くてやたらハンサムなパキスタン系の医者。

    家に帰って調べてみたら、(仮にマクロライド系が効く感染症だとして、その感染症は)根治しておかないと後々アルツハイマーの原因になりかねないという。

    聞き流していた医者の言葉が別な意味を帯びてきた。しつこい咳が残るとか肺結核や肺癌の危険因子になるかもとかいうふうにしか捉えてなかったが、脳にまで廻るとしたらもっとヤバい。「今以上アホにならないように、お薬ちゃんと飲もうね」と夫は涙目。

    発熱中に思ったこと

    夫が帰ってきた途端に快方に向かい始めたのには、我ながら笑ってしまうけど、人間やはり独りで心身の不調と闘っていると不安や恐怖が症状をより重くするんだなーと痛感。

    いちばん具合悪い時に気になったのは、家の中のヘンな場所でヘンな体裁で事切れてたら、帰っってきた夫がイヤがるよねということ。死体もなるべくフレッシュな方がいいし、猫も困るだろうしとか、汚してたらやだなとか。‥‥そんなこと、死んだ人が気にするわけないでしょっ!!!

    それよりやだなぁと思ったのは、汗まみれでゲホゲホ言ってる最中に心臓発作とかで苦しい死を迎えるという、罰ゲームみたいな顛末。どうせ死ぬなら、緩和医療とか受けて、夫にそばにいてもらって「あなたと暮らせていい人生でした、さてこれから死にますので手を握っててくださいな、大好きですよ」って安らかに死にたいです、と朦朧とした頭で真面目に思った。

    なので昨日書いた、夫が帰ってきた時点で“命の心配はやめた”というのは、正確には、サイテーな死に方をする恐怖は取り除かれたという意味かもしれない。

    大丈夫みたい

    発病10日目。まだまだ熱と咳は続いてますが、気分が軽くなってきました。沈むとこまで沈んだので浮上に入り始めた感じです。

    海底に停滞していた24・25両日(夫はフランスでノエル)、よろよろ起きて猫にご飯あげながら、わー死ぬかもって本気で思いました。夫が予定を切り上げて帰ってきてくれた26日晩から、命の心配はやめました。

    しかし、離乳食量のうどんとにゅうめん以外のものを、ペロリと大人一人前、美味しくいただけるまでになるのはだいぶ先のようで‥‥。食べる楽しみがないと、人生ほんっとつまらんです。

    肺炎?

    金曜日(18日)から、すごい風邪をひいている。高熱、胸郭に響く咳、あとは風邪症状全般。それが全然よくならない。咳き込んでいる時など、死ぬかも?って思うぐらい辛い。ここまで来るとウィルス感染症じゃなくて細菌性の肺炎の始まりじゃないかと思う。昨日かかった医者には抗生物質はあと2日くらい様子見てからと言われたが、もうイヤ。今朝から飲んでいる。

    おもてなしメニュー

    最近、お客さんを招いた時のメニュー(食べる人の国籍はイギリス、フィリピン、オーストラリア、フランス)。評判が良かったので備忘録として:

    [前菜 茶巾寿司] 椎茸と昆布のだし汁で炊いたご飯に具(椎茸・人参の煮たのと茹で海老)を混ぜすし飯に。1個あたり50gにしてラップで丸め、薄焼き卵で包んで、湯がいたイタリアンパセリ(三つ葉代わり)で結び、海老を飾った。5人分の前菜として12個できた。誰が3個食べたかは追求しなかった。

    [箸休め 浅漬け] お客さんの一人が日本のピクルスの作り方が知りたいと言うので、急遽作ることに。彼女に早めに来てもらって一緒に作った。蕪は薄めのイチョウ切り、人参は千切り、でかいキュウリは種を除いて拍子切り。切った野菜に塩をしてしばし待った後、ぎゅっと絞って水分と余分な塩を除いた。 彼女のリクエストで半分は甘酢に輪切り唐辛子を入れたもの、半分は細切り昆布と一緒に、ジップロックに密封。1時間ぐらい放置して、水分を切って出来上がり。彼女が切った蕪は厚さがまちまちだったけど、味に影響なし。

    [主菜 鶏のレモン風味、葱ソース] 鶏肉に酒、生姜、にんにく、はちみつ、レモン汁、塩を揉み込み漬け込んだ。葱とレモン皮のみじん切りにごま油と塩と酒を混ぜてタレを作った。鶏肉に小麦粉をまぶして焼き、タレをかけて供した。

    [付け合わせ いんげんの胡麻和え] 西洋人にとって抵抗の少ない野菜の一つであるいんげんを茹でてちょっと和風に胡麻・醤油・みりんで和えるだけ。

    [食後 チーズとクラッカー] いくら美味しくてもあっさりな和食を補う意味で。案の定いろいろ講釈しながらバクバク食べていた。

    段取りとして良かったなと思ったのは、茶巾寿司も胡麻和えも漬物も前もって作っておけたし、鶏も漬け込みまで事前にできたこと。お客さんが来てからは、前菜の終わり頃にキッチンに行って鶏を焼くだけで、あまり席を外さずに済んだ。

    テーマ : 美味しいレシピ
    ジャンル : 海外情報

    ソリダリティ

    街のヘタクソ合唱団にダウン症の女性ベッキーがいる。完全な音痴で大きな声で歌う彼女の破壊力に私は困惑していた。よく知らない歌の時に近くに立たれると、何を歌っているのかわからなくなるからだ。

    クリスマスツアー(?)が始まって3回目の昨日(日曜日)、昼過ぎから夕方まで地元で人気のパブ二軒と老人ホーム一軒を周った。『聖しこの夜』を日本語で歌う時、いつもはおじいさん二人組が一緒に歌ってくれる。昔はウエストエンドのパブやレストランで歌っていたという頼もしいセミプロの老紳士方、朗々と歌う。しかし昨日は、なぜか二人とも出現しなかった。

    ケイティ(リーダー):どうする? 一人で歌える?
    シカ:あ、はい。じゃあ歌います。

    今が旬のシカ(トナカイ)、場面に合わせてトナカイ柄の黒トレーナーにトナカイの角までつけて登場したものの、首を絞められた鶏とはこのことかというソロが2回繰り返された。3回目の始まる直前、なんとベッキーとケイティが2番をデュエットするという。1番を全員斉唱、2番をベッキー&ケイティ、3番をシカ、4番を全員ハーモニーという趣向。つまり、ハンディキャップの独唱はシカ一人じゃなくなったのだ!

    ベッキーが調子外れに歌い終わった途端、温かい拍手が会場を包んだ。興奮と恥ずかしさで楽譜で顔を隠してしまったベッキーを、私は思わず抱きしめていた。まさかの愛情が、瞬間に沸き起こった。ベッキーは、子供のようにむぎゅっと抱き返してきた。これまで、なんか知らない外国の人として私を怖がっていた彼女が。

    すぐに始まった3番では私は妙に落ち着いて、上手ではないけど普通に歌うことができた。声量がないのも、高音がかすれるのも、この際仕方がない。ケイティの大きな目をじっと見つめて最後まで歌うことだけ考えた。

    日ごろ障がい者にあまり関心もなく、どちらかというと冷たく自分勝手な私にとって、ベッキーとの小さな出会いは冬の夕べにポッと灯った蝋燭のようだった。

    Although it's been said many times, many ways, Merry Christmas to you :)

    テーマ : イギリス
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    塩ちゃんこ鍋

    晩ご飯の発想に詰まって、鍋にした。夫の大好物じゃないのは知ってるけど、たまにはいいじゃん。

    昨日行った Sainsbury's で TESCO にない舞茸、しめじ、椎茸のミックスを買ってあった。鶏団子は、昼に作ったグリーンカレーで余った鶏肉を玉葱や生姜と一緒に包丁で粘りが出るまで叩いて作った。あとは豆腐やキャベツ、人参、冷蔵庫で作りっぱなしだった昆布と椎茸のだし汁と、たっぷりの日本酒。

    気の乗らない顔で食べはじめた夫は、やがて美味しい時の笑顔になって、
    「君がたまに作るこういうの食べると、日本に行きたくなる」と言った。

    日本は、清潔で快適で便利で、想定外の事態があまり起こらない。サービスはいいし、お金を使うだけの立場なら、桃源郷みたいなものだ。

    「君にとっても、言葉を話すのに何も考えなくていいのって息抜きになるでしょ」と夫は続ける。そうでもあり、そうでもない。
    「楽といえば楽だけど、あんまり実益はないよ。日本では、話らしい話なんて滅多にできないからね」
    今度は夫が、それもそうだよな〜とため息をついた。

    帯に短し襷に長し。

    テーマ : イギリス
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    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

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