ディアスポラ

    パスタソースの一種のような響きのこの言葉、今日知った。

    BBCの解説の中で、“難民受入れは各国のディアスポラコミュニティとの絡みもあって複雑な要素がある。例えばフランスのアルジェリア人や、イギリスのパキスタン人層”と言っていたのを耳にした。元は植物の種などで原産地を離れて拡散し異郷の地に根付いたものを言ったらしい。

    ディアスポラの生活環境では、“故国”のイメージが親や祖父母が離れた時そのままの姿で保存されていることがままある。ブラジルの日系人家庭では、天皇の写真を居間に飾っていたりする。日本の日本人以上に封建的で律儀で迷信深いとも聞く。私の日本語だって私が日本を出た時のままなので、今日本に住んでいる人の日本語とは微妙に違ってきている(と、教え子に指摘される)。

    旧母国アイデンティティへの固執・回帰が起こる理由には、単に情報の古さもある。もう一つ、新たな母国で自分の異質性を常に意識する状況が、異質さの先鋭化を生む。移住後数十年を経て英国籍を取得したある女性に、例のCAPITAから「オーバーステイにつき至急国外退去を勧告する」と通達があったという、笑えない実話がある。

    日本に住む日本人が自分をとりたてて日本人だと感じる機会は少ない。しかし日本以外に住んでいると、毎日のようにそれを思い出させられる。公衆トイレで両側に並ぶ人たちに比べ自分だけが黄色い。防犯カメラに映るあの変な東洋人は私。挨拶のように「今度またお寿司作ってね」と言われる。日本では着たこともなかった着物でパーティーに出席したりする。

    イギリスのパキスタン人、南米の日本人、ドイツのトルコ人、日本の朝鮮韓国人。イスラム過激派の構成員に欧州育ちの移民二世が多く含まれるのも、ディアスポラの特殊事情と無関係ではない気がする。

    夫が帰ってきたら、スパゲッティ・ディアスポラを作ってあげようっと。
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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