スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    「国際結婚は勧めない」(竹鶴政孝)

    西洋人女性が日本人男性と共に日本で生きていくのは苦しいことだ。日本の閉鎖性だけでなく、女性観の違い、結婚観の違い、労働環境、コミュニケーション方法の違い‥‥。下手をしたら、日本人女性がアフガニスタンのイスラム教徒と結婚した場合と同じぐらい難しいかもしれない。

    竹鶴さんがかなり良い夫だったとしても、リタさんは幸せだったと思える要素が少なすぎる。政孝さんがリタさんに贈った本に書かれた言葉がそれを物語る。"To my dearest Rita, from your beloved husband Masataka." 普通なら your loving husband だ。beloved という言葉は相手に対して使う。竹鶴さんの「あなたに愛されているワタシ」は、単に英語の間違いなのか実際そういう感覚をもっていたのか‥‥つまり夫が妻を愛すより、男児が母に愛されることが夫婦関係の原型だったのかと訝る。

    晩年、国際結婚は勧めないと断言していたということは、竹鶴さんにもリタさんを幸せにできなかった自覚があったのだろう。留学で妻の国の文化に触れていたから妻が払った犠牲の大きさを想像できるし、そこに思いを馳せる優しさはあった。そして「自分がリタを日本へ連れてきた」という責任感があった。その意味で、良い夫だったのだろうと思う。

    男が日本人、女が西洋人の場合より一見スムーズに行くことが多い西洋男性と日本女性の結婚も、特有の問題は山積している。男性に甲斐性が求められる日本と違い女性にも経済的自立が求められるが、移住したばかりで言葉もままならない日本人妻にそれは難しい。個人主義の成れの果てで、夫は「僕と結婚し僕の国に住むのは君が決めたこと。僕が連れてきたわけじゃない」なんて言う。

    うちの場合は運良く、両者とも年齢も社会経験値も高く、一方に経済基盤があり、もう一方は異文化適応がとっくに済んだ段階での結婚だったので、上記の問題は免れている。しかしこううまい具合に要素が揃っての国際結婚は珍しいだろう。

    なので、一般論として、国際結婚は勧めない。ほんとに。

    私がノルウェーで前夫との問題を最初に打ち明けた相手は英国人牧師で、ノルウェー女性と結婚していた。彼はじっくり話に耳を傾けた後で、しみじみと「大変ですねぇ。あなたは日本からやって来たのに」と言った。「僕はね、国際結婚では夫が妻の国に行くべきだと考えているんですよ。大抵の国で、程度の差こそあれ、社会システムは男性に有利です。だからこそ女性には、生まれ育った地の家族や友人のサポートがより必要です」。彼自身、それを実践して英国を離れ極寒のノルウェーに住み着き、時に英語を忘れるほどノルウェー語に通じていた。あの優しさと勁さを忘れない。
    スポンサーサイト

    テーマ : ヨーロッパ
    ジャンル : 海外情報

    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

    最新記事
    最新コメント
    カレンダー
    プルダウン 降順 昇順 年別

    01月 | 2015年02月 | 03月
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28


    カテゴリ
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    リンク
    フリーエリア
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。