アフメド増量したい

    今、心にとても重くのしかかることがあって、どうしようもない。

    何年か前、いつもの抗うつ剤の処方箋をもらいに医者に行ったらいつもの薄暗いフランス人の先生が居なくて、アフメドという名前の若いアフリカ系の医者が、私の顔を見るなり問答無用という調子で「じゃあ倍量にしましょう」と言った。なんか馬鹿にされた気がしてイヤだったのだけど、倍量をしばらく続けていたらやたら調子が良くなった。以来、何かあるたび夫が「君にはアフメドが必要だ」と言うようになった。

    なので今回も、アフメド増量したい。

    ロンドンのお家芸

    サンセバスティアン(スペイン)に住むイギリス人の友だちナディアが夏休みでオックスフォードへ帰省中、同郷の親友を連れてロンドンに会いに来てくれた。お寿司大好きなナディアなので、在ロンドン日本人に評判のいいらしい店を調べて連れて行った。

    ナディアが早速ランチの様子をFBにアップロードしていて、スペインの友だちがいろいろコメントしている。その中で、「世界中のあちこちから来た4人が食事と友情を分かち合うなんて、人生素敵だね」というのがあった。

    そういえば、ロンドンに住んでると当たり前すぎて考えてもみなかったが、4人それぞれ人種も出自も違う。

    ナディアはお母さんがニュージーランド人、お父さんがヨルダン人で、彼女自身はイギリス生まれイギリス育ち、そして20年近くスペインに住んでいる。なので容貌は中東的、内面はイギリスの躾の良さとスペインの愛嬌が混在していて、とても素敵な人だ。一緒に来た友だちのアナはいわゆるイギリス人(優しげでちょっと洋梨型でおっとりした感じ)。そして私はもちろん普通に東洋人、夫は一見北欧風のフランス人。話す言葉も、全員足すとスペイン語、フランス語、ドイツ語、アラブ語、日本語、ノルウェー語、英語とけっこう豊かだ。

    最近できたうちの宅地の住民会も、そう思って見れば国連会議の庶民版かという様相ではある。

    世界が集まるロンドンという街、そして当たり前みたいにホスト役をつとめてしまうイギリスという国。旧植民地支配者だから罪滅ぼしという一面もあるけど、それ以前にディプロマシーというものがイギリス人の基本的国民性の一部にあるのだと思う。いろんな意見が飛び交う中で、なんとか妥協点を見つけて纏めようとしてしまう、先天性プリフェクト(寄宿学校などでまとめ役・お目付役になる生徒)。

    やっぱり私には今まであちこち住んだ中でロンドンがいちばん居心地がいい。

    60歳の原点

    週末、友だちのイギリス女性3人組と夫と私で夕飯を食べに行った。私以外全員今年60歳になるので、合同誕生祝いという名目。ウォータルーのトルコ料理屋のテラスでのんびり飲んだり食べたりしながら、一人がふと「世界がこんな調子じゃ、もうあんまり長く生きたくないわ」と言った。私も常日頃感じている、そんな厭世観。私が「ネコかディディエかどっちか一方でも居なくなったら、生きていたくない」と答えたら、みんな魔除けみたいにおどけだした‥‥。

    どんな厭世観かというと、ユーリズミックスの歌にあったので引用:

    Stop the world
    Turn out the sun
    I'm so tired of it turning round

    Stop the world
    Call it a day
    Leave it all behind
    Leave it that way

    Peace
    Is just a word
    Is just a word

    Stop the world
    Just let it bleed
    Well we've taken more
    Than everything we need

    Stop the world
    Just shut it down
    [Just shut it down shut it down]
    There's no point in it
    Spinning round

    Peace
    Is just a word
    Is just a word

    Stop the world
    Take it anywhere
    It's just that
    Living here is more
    Than I can bear

    Stop the world
    Just pack it in
    Well we've reached the point
    Where no one ever wins
    No one ever wins!

    Peace
    Is just a word
    It’s just a word

    今夜、夫と話していたこと。「人類の文明は滅びていい。動物や植物はべつにそのまま存続してもいいし」と私。「だけど動物って、ネコ見りゃ分かるとおり、自己チューのカタマリで善のかけらもないよ」「それ言っちゃえば、人間だって生まれっぱなしで何の教育も受けなければネコと違いないじゃん」「そうかなぁ。善とか愛とかって、人間だけが知る特性だと思ってた」「愛っつったって、子供が母親を愛すのは母親が自分の生存に必要だからでしょ。その延長で他者を愛することを学ぶんで、はじめっから愛されたことがなければ学びようがないもの」‥‥。

    私は暗いので、人間は本来悪だと信じている。幸運な者だけが、悪を薄めていくことができる。だけど人間多すぎて、幸運じゃない者が増えすぎて、これはもう全部やめるしかない土壇場に来ていると感じるのだ。でも、これまでの人類史いつだって土壇場だったのかもしれない。今が昔より悪い時代とも確信できない。より良い時代とも、まったく信じられないけれど。
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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