互いに敬いなさい

    猫の十戒なる代物がネット上で流布されている。人間の目から見て自分勝手で気ままで高慢ちきで可愛い猫という動物の特徴を10の“教訓”にまとめたものだ。その中に「わたしを尊敬しなさい。わたしにとって大切なことなのです」という一節がある。所有物のように扱うな、個の尊厳を認めよ、できれば崇めろといった意味合いだろう。

    これは家族間でも大切なことなのです、と思う。昨日母と電話で話していたら、なんでも水谷豊と伊藤蘭夫妻が映画で共演するので話題になっていて、ワイドショーに出ていたそうな。そこで司会者に「夫婦円満のコツは?」と訊かれた蘭ちゃんは「同じ家の中にいても、(水谷は)お出でになってる時があるんですね。そういう時は、あ、そうなのねと思うことにしています」という旨を答えたらしい。

    心がここにない、自分だけの世界に行ってしまっている状態。そういう時、アメリカ風コミュニケーション至上主義にかぶれた人は「何考えてるの?」「どうして?」「話し合おうよ」と相手を深追いしがちかもしれない。それは二人の関係を大切にしているようでいて、相手の心を自分の所有物のように踏みにじる行為でもある。

    心ここになしだからといって、目の前にいる相手にいなくなって欲しいと願っているわけじゃない。どっかに出かけているんであって、帰ってくるし、帰ってくるのはその相手の処だ。

    もともと言語も文化も種族も違う相手との生活では、すべて分かり合えて当然という期待がない。少なくとも私の場合は、互いに暖かみと心遣いが感じられる限りは、相手の時間と空間を占拠したいとは思わない。私も四六時中構われるのはイヤだし。この方式で、夫と猫はすこぶる居心地がよいと言う。

    ところで猫は、尊敬しなさいと言っておきながら人のことはちっとも尊敬しているフシがない。平気でプライバシーを踏みにじり自由を奪い、人の都合おかまいなしにいろいろ要求してくる。だから好きなんだけどね…。

    テーマ : 国際結婚
    ジャンル : 結婚・家庭生活

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    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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