メメント・モリ

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    日本へ

    22日に急に日本へ行くことになった。

    80歳のが膝の手術をするのは前々から聞いていたが、数日前にから「年が年だけに何があるか分からない。来れないか」と言ってきた。そう思ってたんならもっと早く言え〜。直前しかも夏のハイシーズンで予約取りにくいしめっちゃ高い。電話番号教えてと言ったらケータイ番号を伝えてきた。「国際電話でケータイにかけるの高いんですけど。固定電話ないの?」と訊いたが返事がない。駐在経験もあるんだからそのぐらい知ってそうなものを。

    は昔から不義理な奴、He's never there when you need him というタイプの男なので驚きはしない。でも家族というのは未練がましいというか、お互いに無い物ねだりをし続けてしまう関係なのかもしれない。の不誠実を50年経験しながらも未だに傷ついてしまう己のしつこさに落胆する。

    内臓疾患ではないので手術そのもので麻酔や輸血の事故がない限りは命に関わることはないと思う。が、「もしも」の場合、行かなかったらそのことをずっと引きずるだろう。行きたくない夏の日本へ行くことにした理由は、自己中心この上ないが、自分の気持ちへの保険のような感じがする。

    何でも自分が統率しないと気の済まないのことだから、私が行くことを入院前に知らせればテンパってしまうのが目に見えている。「来るなら来るでいろいろ段取りがある」とか。なので黙って到着し、手術当日か前日に病院に登場しようと思う。父は暢気というか無関心な人なので、が入院した後のマンションに急に私が来ても慌てはしまい。料理してくれる人が来て喜ぶ程度のことだろう。

    何事もなく25日の手術が済んで、数日間付き添って、予定通り8月1日に帰ってこれますように。一応、8月20日に変更可能な航空券をとってはある。それをしなくて済みますよう、読者のみなさんも念じてくださいませ。

    テーマ : 海外にて日本を考える
    ジャンル : 海外情報

    互いに敬いなさい

    猫の十戒なる代物がネット上で流布されている。人間の目から見て自分勝手で気ままで高慢ちきで可愛い猫という動物の特徴を10の“教訓”にまとめたものだ。その中に「わたしを尊敬しなさい。わたしにとって大切なことなのです」という一節がある。所有物のように扱うな、個の尊厳を認めよ、できれば崇めろといった意味合いだろう。

    これは家族間でも大切なことなのです、と思う。昨日母と電話で話していたら、なんでも水谷豊と伊藤蘭夫妻が映画で共演するので話題になっていて、ワイドショーに出ていたそうな。そこで司会者に「夫婦円満のコツは?」と訊かれた蘭ちゃんは「同じ家の中にいても、(水谷は)お出でになってる時があるんですね。そういう時は、あ、そうなのねと思うことにしています」という旨を答えたらしい。

    心がここにない、自分だけの世界に行ってしまっている状態。そういう時、アメリカ風コミュニケーション至上主義にかぶれた人は「何考えてるの?」「どうして?」「話し合おうよ」と相手を深追いしがちかもしれない。それは二人の関係を大切にしているようでいて、相手の心を自分の所有物のように踏みにじる行為でもある。

    心ここになしだからといって、目の前にいる相手にいなくなって欲しいと願っているわけじゃない。どっかに出かけているんであって、帰ってくるし、帰ってくるのはその相手の処だ。

    もともと言語も文化も種族も違う相手との生活では、すべて分かり合えて当然という期待がない。少なくとも私の場合は、互いに暖かみと心遣いが感じられる限りは、相手の時間と空間を占拠したいとは思わない。私も四六時中構われるのはイヤだし。この方式で、夫と猫はすこぶる居心地がよいと言う。

    ところで猫は、尊敬しなさいと言っておきながら人のことはちっとも尊敬しているフシがない。平気でプライバシーを踏みにじり自由を奪い、人の都合おかまいなしにいろいろ要求してくる。だから好きなんだけどね…。

    テーマ : 国際結婚
    ジャンル : 結婚・家庭生活

    いい加減な情報

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    不運な異邦人

    徒歩20分の所にある歯医者に行った。雑居ビルの2階(日本でいう3階)。歩いてきて暑かったので階段昇るのがいやになり、エレベーターに乗った。2階で止まったが、扉が開かない。ウンともスンとも言わない。シンドラーのリフトだった‥‥。

    焦ると呼吸が増えるのか、どんどん酸素を消費している気がする。笑えないなぁ。停電はしてない。明かりもついてるし換気扇らしき音もする。酸素は足りるかもしれない。非常呼出ボタンを押してみる。ビービー言うだけで何の反応もない。非情呼出ボタンだった‥‥。断続的に押していると女の人の声がした。「英語、ビッテ」と言ってみるが、無理、無理。こういう時に都合よく英語喋る人に当たるもんではない。これだったらビービー鳴らしてるのと効果は同じだね。私はやにわに数独をやりはじめた。1分おきにボタンを長めに押しながら。

    20回ぐらい鳴らした頃、唐突に箱が上に動いた。4階のボタンが点灯している。誰かが階上から乗ろうと思って呼んだのだ。私が乗る時も外からは扉が開いたんだから、今度も開くかもしれない。開けゴマ。開いた。

    私の命を救う気なんて微塵もなかった恩人に、せめてものお礼に「ニヒト ベヌッッツエン、リフト!ユーゲットロックトイン(エレベタちゅかわなだよ? トッコメられっすぜ?)」とドイツ語風無国籍語で教えてあげて、私は階段を脱兎のごとく駆け下りた。いや、文字通り罠を脱したウサギ状態だった。そして次なる災い、歯医者に飛び込んだのだった。「麻酔、打ちますか」と訊かれて、「ドーンといってください」と答えたのは言うまでもない。

    くそドイツ人

    夏の宵、ほぼ毎晩隣近所のどこかでバーベキューをやっている。エコ気違いのドイツ人のくせになぜか超公害物質の石油式グリルで獣臭いヴルストを焼きまくる。窓を閉めようにも暑いし。昼間や宵の口ならまだしも、月曜日の夜11時にやられて私はキレた。

    見ると犯人は直隣の若夫婦。いつもいつも不在配達の小包を私が預かってやっている世帯だ。勇気を振り絞って、バルコニーから声をかけた。

    「あの、夜遅いし眠ろうと試みてるんですが、お宅からの臭いがきつくて」
    「はあ? 」
    「家の中で食べてもらえませんかね? 臭いが直接うちに入ってくるんで」
    「もう煙立ってないし、あんたがタバコ吸う時も臭いですけど?」

    カッチーン。それ、論点じゃないし、バルコニーでの喫煙は禁止事項に入ってない。バーベキューは実は禁止されてるけど、ドイツもこいつも平気で破っている。そんならあんたらドイツ人の大好きな急所を突いてやろうじゃない。

    「煙の話をしてるんじゃありません。食べ物の臭いです。それに、バーベキューは本当は許可されてないんですよ」

    コレで相手は黙った。ぜったい謝らない、詭弁で自己正当化し逆ギレしてくるドイツ人、大嫌い。私はあんたの私書箱じゃない。もう二度と、あんたの荷物なんて受け取ってやらないよ。昼間不在なら、週末まで待って自分でえっちらおっちら2キロ先の局に取りに行け。くそドイツ人

    テーマ : ドイツ
    ジャンル : 海外情報

    赤ゲット

    にとって私は「お客様に出せる妻」らしい。ヨーロッパの習慣や社交儀礼(というか、愛想)に精通しているので家族や友達の前で恥ずかしい思いをさせられた試しがないという意味で。もちろんはじめからそうだったわけではない。百戦錬磨、血の汗流し涙を拭かず巨人の星をつかんではいないが、に会った時点では今の形に完成していただけだ。

    両親は昔、赤ゲットという言葉を使っていた。西洋の習慣に慣れない(日本人)洋行者、という意味だ。

    私が8歳の時、親の仕事仲間の宣教師宅にお泊りに招かれた。その家にはジェイバン先生と奥さんのニーバ先生、私の兄と同い年のネビン、私と同い年のシャーナが住んでいた。広い家、お肉たっぷりの食事に甘いケーキ、でっかい冷蔵庫などにワクワクした後、二階の浴室からニーバ先生が「さあ、みっちゃんもシャーナと一緒にお風呂に入りましょう」と呼ぶ声がした。浴槽とトイレが同じ部屋にある浴室というものを、私はそれまで見たことがなかった。浴槽にはシャーナが入っていて、ニーバ先生が娘の髪を洗っていた。トイレは、誰も使っていない。今にして思えば不思議な発想だが、私は子供の頭で「この部屋に二つの設備があって一つが使用中ということは、私はもう一つを使わなければ」と考えたのだった。その後の顛末は想像にお任せする‥‥。

    まあ、こういう激しいのは置いといても、日本の観光地では洋式トイレに「便座の上にしゃがむなかれ。顔をドアに向けて座るべし。紙は汚物入れに入れるなかれ」という趣旨の中国語と絵入りの説明プレートが貼られている。もちろん、中国人は中国式が正しいと思っているので、効果はない。

    その点、私を含め昔の日本人は恭順だった。昔の海外旅行パンフレットには「湯を使いすぎるな、浴槽の外で身体を洗うな、スープは無音で食べろ、謝る時に微笑むな、日本の外ではお客様は神様ではない」などと事細かに渡航先のマナー注意書きが載っていた。ツアコンが出発前の空港での“結団式”(決断式と言った方が合いそう)で「皆さんは民間大使です。一人一人の行いが日本の印象を左右します」とレクチャーを垂れ、ツアー客は地雷を踏まぬようビクビク行儀を正していた。

    今では日本人も自信がついたのか、中国人並みに“気にしない”人が増えてきた。ヨーロッパの高級レストランで数皿を数人で“シェア”し、盛大に鼻をすすりながらパンを丸ごと口に押し込む日本のお嬢さん方。国際線の機内食の器を口元まで持ち上げクチャクチャ音を立てて食べる日本人ビジネスマン。通訳のお客さんに「ホテルの浴室水浸しにしちゃったよ」と自慢された時には私も青くなった。

    どの土地にも階級にも掟は山ほどあって、それぞれ流儀が違うのでややこしいったらない。老兵の私でさえ未だに予想の斜め上を行くツッコミを入れられることがある。イギリス中流上層出身の前によるとビールの瓶飲みは「下品なアメリカ人のすること」。それをフランス中流中層出身の現は家でやる(さすがにレストランではやらない)。現はワインの瓶の腹を持って首に手を添えたり(日本のお酌式)、首を持って注ぐ(日本のオヤジ式)のは絶対だめと言う。前はそれは見咎めなかった。

    昨日、近所のオステリアでピッツアを食べていて隣のテーブルのドイツ人がビールを瓶飲みするのに気づき、あーめんどくせぇと思った私は、夫にそう言った。「私はけっきょくガイジンなんだもん。こっちの流儀に合わせてるけど、間違えることだってあるよ。私は、あなたが日本でヘンなことしてもいちいち目くじら立てないでしょ。日本人はガイジンに優しいし」。夫は大きな目を丸くして私を見た。薄い青緑色の目はウソがつけない。「そうだね。君にばっかり要求しちゃ不公平だね」。素直に反省した彼を見て、たまにはボソッと言ってみるもんだね、と思った。今度から、居酒屋でのっけからご飯もの頼まないでね。

    テーマ : 海外生活
    ジャンル : 海外情報

    病院

    カエルが一晩入院している。

    目的は蛙のワイン煮に使う脚を切断するため‥‥(下の絵参照)じゃなくて、何年も前から額の端にあった小さなこぶ。ただの脂肪の塊のようだけど念のため取ってしまいたいというので、今朝、簡単な手術をした。本来なら今晩にも帰宅してよかったのだけど、大事をとって一晩泊まることになった。

    カエルの脚

    で、この病院が、ここは日本の地方の保険病院か?ってぐらい、気の滅入る場所だった。日本の医療システムがドイツを真似てるのは知ってたけど、容れ物までとは‥‥。つまり、日本の今では老朽化した大病院を建てた当時、手本にしたドイツ病院が、当たり前といえば当たり前だがドイツでも現役なのだ。

    部屋は3人部屋でベッドの間には仕切りのカーテンも何もなく、同じ部屋の患者が四六時中観ているTVの音で眠るに眠れない。シャワーは病棟全体の共用のが廊下にあり、各部屋には二部屋共用のトイレと洗面台がついているだけ。信じられないほど不味そうな病院食。頼んだ鎮痛剤をナースが持って来てくれたのは1時間後‥‥。

    昭和の香り〜。懐かしい〜。おまけに執刀医の英語、Allo Allo に出てきたフリック氏そっくり〜! こんな所で死にたくな〜い。

    ケチョンとしたカエルをひとり置いて帰るのも気が引けたけど、私も朝7時半から夕方4時まで暗い病院にいて元々抑うつ気味な人格がますます暗くなったので、お暇をいただいてきた。

    テーマ : 国際結婚
    ジャンル : 海外情報

    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

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