料理写真

    料理の写真を載せる人の気持ちが分からないので、FBでやってみた。すると反応がよい。「この人もメシを喰うのか。やっぱり普通の人間だったんだ」。この「やっぱり」がポイントね。他人が自分と似ていると感じると安心するのよね。

    これはドイツの初夏の名物、白アスパラガスのオランデーズソースがけ。次は鰊の塩漬けタマネギ添えでも載せますわ。私って、顔に似合わず料理はするのよ。在外邦人だから、何でも自分で作るのよ。荒っぽく、手早く。

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    テーマ : 主婦のブログ日記
    ジャンル : ブログ

    Japan-Tag 日本デー(オタクの日)

    毎年恒例の日本デー。デュッセルドルフ市は1万人前後の日本人人口を抱え税収の10%を日本企業から得ている。高校の第二外国語の選択肢に日本語が入ってるそうで、アニオタ率も高そうだ。
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    生まれつき金髪碧眼の人がアニメのコスプレって、どうも本末転倒な気がしてしまうのだが。
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    こういうカッコいい少女もいた。
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    イヴ

    ブリジットが亡くなって1年ほどになる。先週、夫のイヴが旧友ディディエを訪ねてデュッセルドルフまでやってきた。昨夏、やもめになったばかりのイヴをナントに訪ねた際は灰色の顔をして黙り込み、家の至る所にブリジットの写真を飾り、バスルームに彼女が使っていたそのままに置いてある化粧台は祭壇のように見えた。今回のイヴは、太鼓腹と赤ら顔の昔の姿に戻り、多少の演技はあるのだろうけど快活に笑う。

    若年性アルツハイマー。3年ほどの看取り期間は想像を絶する。

    ブリジットは建築デザイナーだった。今にして思えば、なことが沢山ある。優しい人柄で同僚にも好かれ楽しんでいたはずの仕事を、発病の数年前にブリジットは唐突に辞めた。人間関係が煩わしくなったから、と。人格の変化はあの時既に始まっていたのかもしれない。発病後は日増しに幼女に還っていく妻を、イヴは母親のように世話した。他にどうしようもなかったろうけれど。

    イヴは精神科医。自分の状況を客観的に把握はしているが、だからといって体験が軽く済むわけではない。発病後まだ日常生活はできていた頃、ディディエが「ロンドンへ息抜きに来ないか」と誘った。イヴは「いや、二人だけでコルシカ旅行に行くから」と断った。先週末の夜、日本みやげのシングルモルト“白州”を舐めながらイヴは、「コルシカへは、心中しようと思って行ったんだよ」と白状した。
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    自殺は病死だと私は思っている。うつ状態は、それがイヴのように外的要因に誘発されたものであれ、脳内伝達物質がもともと上手に繋がらない場合であれ、あらゆる意欲を奪う。悲しみというより、「いったい何のためにこんなアホなことを続けにゃならんのか」という疲弊感が、命を止めてしまうのだ。

    ずいぶん回復したイヴだが、再婚は念頭にないそうだ。アムールの国の人ゆえ、もう歳だからというのはない。ただ、大恋愛だったブリジットとの結婚生活があんなふうに終わった後で「女を追いかけ、恋愛し、結婚生活の責任や不便や束縛を受け入れ‥‥それこそ何のためにそんなアホなことをまたぞろ」と言う。「僕は再婚してよかったと本当に思ってるけど」とディディエ。「まあ、今は変な言い方だけど独身生活を謳歌してるんだ。いつでも好きな所へ行けるし。この夏は中米に住む息子と一緒に南米一周旅行だよ」とイヴ。

    ディディエも前妻を亡くしている。「妻は死んだけど、僕は生きている。生きていくには幸せにならなきゃ」と思って、私とつきあい始めた。それは死者への非礼でもなんでもない。生きている者には、死ぬまで生きるしか選択肢がないのだ。死ぬまでの間不幸でいることが誰のためにもならないのは明らかだ。ついこの間、日本で会った旧友の言ったことを思う。彼女も昔、家族を自殺で失っている。そのお墓参りに行った帰り、「墓地の近くの中華屋さんで食べたタンタンメンが美味しかった」のだそうだ。そうだよね、と心から思った。

    フランスへ帰ったイヴから葉書が来た。「ありがとう、心に残る滞在だったよ。これからいい季節だ、よい夏を」と書いてある。やがてそのうち、「またぞろ」恋愛中と言ってきても驚かない気がする。

    テーマ : 「生きている」ということ
    ジャンル : 心と身体

    50代で移住

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    帰省

    一ヶ月ちょっと、日本へ行ってきた。前半は夫と西日本旅行、後半は夫を先に帰欧させて私だけ親のところに滞在。何十回と日本行きをしてきたけど、ここ数年“里帰り”感覚が薄まって、今回はまったくの“訪日”という感じがした。

    親がすっかり年老いている。70代半ばまで続けた仕事もついに退いて、医者通いの日々。何曜日は糖尿、何曜日は眼科etcとけっこう忙しい。父はテレビとお酒と楽器いじりで一日の大半を自室で過ごすが、食事の時と外出時は母のお供をする。医者にも買い物にも、母は膝の状態が悪化して歩けないので、父は大好きなテレビシリーズを中断して車を出すのだ。79歳、そろそろ運転もやめた方がいいと周囲も本人も思っている。昨年免許を更新したが、次の更新はしないつもりらしい。

    車がなければ、今の住まいには居られない。東京とはいえ私鉄の果てからさらにバスで30分、バス停から徒歩10分ときては無理、無理。“老人ホーム”という、二人にも子供(兄と私)にも未だピンとこない施設を、本気で探す時期が来ている。今回、私がドイツへ帰る間際に母が「親の家に泊まるのはこれで最後かもね」と言った。

    生来出不精なものだから、滞日中、ほとんどを夫または親と過ごした。日本語教師時代の教え子が大勢東京に住んでいるので、うっかりFBで「今東京にいます」と書いたが最後、会いましょうという連絡がワサワサ入ってきた。布団の中で日本酒を呑みながら「今ちょっと立て込んでいて‥‥」と返事し続けた。結局会ったのは、夫の知り合い一組、私の従兄弟一人、教え子二人、そして幼なじみ一人。

    教え子以外は“親類縁者”のくくりに入る。10年前ぐらいまでの私は、もと同僚や友人にこちらから連絡して遊んでもらっていた。しかし日本を離れて20年を超えると、バブル期の職場で20代を過ごした同世代とは、あの時は24時間一緒に戦えますかだったのだけど、今では日常がかけ離れすぎて共通項がない。去る者日々疎しなのは寂しいとかなんとかではなく当たり前の現実だ。その点、親兄弟や親族、幼なじみは、人生の土台となる時期を共有したという揺るがない絆がある。

    親同士が高校からの付き合いで同業者という幼なじみとお好み焼きを食べて一杯飲んだ。小学生の頃、親同士が呑みにいく間どちらかの家で一緒に留守番をしていた。以来、会ったのは数えるほどで、ゆっくり話をしたこともなかった。それでもお互いの生育環境を熟知している。40年後の今、ほとんど知らない同士とは思えない安心感の中で、毎日会っている友達には言わないような話もした。

    教え子。初めて受け持った時19歳だった彼は26歳になっていた。女の子は16〜22歳、男の子は18〜25歳の間に大きく変わる。オスロ出身アニメ大好きの神経質なお坊ちゃまだったのが、いっちょまえのガイジンに成長していた。少し前まで生徒と同じノリだった私だが、今は平気でオバサンしている。もう同じ言葉を喋ろうとは思わない。ウケ狙いもしない。新宿の高層ビルの居酒屋で教え子とワインを飲みながら、孫の成長を愛でるおばーさんの気持ちで、彼の今の仕事や将来の計画の話を聞いていた。ガイジンでも日本人でもない“先生”に、いろんなことを尋ね、ぶちまけてくる。ノルウェーではただのオタクだが日本では金髪碧眼のプリンスだ。モテるだろうなぁ、正気を保つのは難しいだろうなぁと思いながら、私はアースさま(マグマ大使の。知ってる?)のように知ったかぶりのアドバイスをした。

    ドイツへ帰りついた途端、フランクフルトの気違い税関という不愉快な目覚ましで日常に戻った。人の非白人的容貌ゆえに怒鳴りつけ罵倒し言語能力の不足を責め立てる人々の国、そこが私の故郷なのだ。今では。どれだけ不満があろうと、欧州でしか生きていけない。日本はあまりに無関係になってしまった。旅の疲れと税関での悪夢で機嫌最悪の私を、夫とネコがニャーニャー迎えてくれた。うん、わかった。この二人(?)の居るところなら、北朝鮮だって、我が家にするよ!
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

    引用・転載は原則として歓迎ですが、事前にご一報ください。どのような論旨・目的での引用・転載か、把握しておきたく存じます。

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