なんぼなんでもムリ

    1985年から数年間つきあったスイスの御曹司ジャンキーから、フェイスブック友達リクエストが来た。なんぼなんでも、そりゃ‥‥。そんなもんとまた友達になりたいだなんて、なんの為に理不尽な苦労して成長したんだか、わからんじゃないか。お互い生きてることはわかったので、はいどうもありがとうって意味で、スルーします。

    それにしても相変わらず阿呆な顔してるわ。

    反社会性人格障害(サイコパス)

    小学校4年生の時、同級生の男児に平手打ちされたことがある。落ち着きがなく成績の悪かったその男児には、転校生で学級委員の私が余程気に入らなかったようで、私は「女のくせに頭が高い」と執拗に往復ビンタされた。何があっても人前では涙を見せないと決めていた私が、あまりの痛さと屈辱にはじめて泣いた経験だ。私にとっては一生のトラウマになった出来事だが、そのように生まれ育った男児を今では気の毒にも思う。

    おそらくあの男児は、家庭や近隣で、暴力で周囲を支配する誰かを見て育ったのだろう。女を、男の性欲求の処理道具かつ飯炊き女/掃除婦/出産育児ロボットとしか認識できない男たちに囲まれて育ったのだろう。あの男児自身も、理不尽な暴力に牛耳られて生きていたはずだ。

    こういう悲劇の連鎖は、残念ながら食い止めることができない。獣のような人は常に一定の割合で生まれてくる。その人々は、愚かさ故に自らの獣性を知らず子をもうけ、愚かさと憎しみと凶暴さを果てしなく伝承していくのだから。

    三つ子の魂百まで

    ディディエのお父さんはフランスの電気通信会社(当時国営だったので日本の電電公社にあたる)で長年勤め上げた公務員で5男1女の子沢山。金儲けには縁がなかった。思想的には社会正義に確固たる信念を持ち、贅沢や富の蓄積ということを嫌い、自由平等友愛を地でいく生き方を貫いてきた。90歳を過ぎた今でもアムネスティ・インターナショナルのデモ行進に参加するような人である。こういう、高潔な小市民とでも呼ぶべき人々はヨーロッパにはゴロゴロいるが、日本には多くない気がする。

    さて、鉄の商人ディディエは子供の頃、そのお父さんに一度こっぴどく叱られたことがある。

    ある日学校の工作で作った飾り物が上手くできたので、近所の人に売ってみようとディディエは思いついた。そこで団地の最上階に住む、付き合いはないけれど顔見知りの夫婦を訪ねた。「あら、上手ね」。「〇〇フランです」。夫婦は生まれながらの小さな商人を見てクスリと笑い、快く買ってくれた。

    さて、後日。お父さんがこの夫婦にたまたま出くわして、「この間お宅のディディエ坊やから飾り物を売ってもらったんですよ」と言われたらしい。微笑ましいエピソードとして。しかしお父さんはそうは受け取らなかった。商品価値のない物を、知人に売りつけるなんて! 資本主義をよく思わないお父さんには、息子の商才が理解できなかった。その日学校から帰ったディディエはお目玉を食らい、階上へ行ってお金を返してこいと言われた。

    父の剣幕に従ったものの、「あの時の屈辱は今でも忘れられない」とディディエは笑っている。笑えるようになったのは、成長して本物の商人として天分を発揮できたからだ。違った道を歩んでいたら誰にも話したくない苦い思い出になっていたかもしれない。

    J J(s)
    若き日のムッシュー&マダムG

    お魚に似て‥‥

    小さい頃の私は、ふくれた輪郭に間隔の開いたちいさい目、大きな口で、ポニョのような顔をしていた。女の子バージョンではなく魚バージョンの。対する兄はつぶらな瞳、ちいさな口に卵形の顔で、会う人ごとに「ユズルちゃんは可愛いわね~、お父さんそっくりでハンサムね~」と言われていた。兄の横に立っている私にふと気づいて、慌てて「みっちゃんは‥‥‥」。先が続かない。「魚にそっくりでビジンね〜」では無理があり。また気まずい思いをさせてしまった、と私は反省するのだった。その女性たちは、父のファンだった。

    それで私はすんなりと自分はブサイクなのだと信じて育った。これはもう、美ではなく芸を磨くしかないと諦観してその道に励んだ。ファンデーションやマスカラなぞ30代の終わりまでつけてみたこともなかった。だから最近になって「いや、お前は可愛かったぞ」と父や兄に言われてびっくりしたのである。

    当時私たちはニッポンのど田舎、富山県に住んでいた。しかも1960年代の話だ。男はおだて、女は潰す。その姑文化のど真ん中に身を置いていたのだ。そういう場所で女の人たちに言われた事には眉にたっぷりツバをつけて聞くべしなんて、コドモの私は知らなかったので、やすやすと暗示にかかりブス街道を邁進した。

    ところでポニョを知ったのは去年のことで、知人に「シカさんってポニョに似てるよね」と言われてググってみたら、本当に似ていた。つまり今でも似ている。兄は、卵形がピーナツ形に進化し、髪が薄くなり、なんか人の良さそうなフツーのオヤジになっている。

    1960s
    プロフィール

    シカ

    Author:シカ
    夫のカエルとともにヨーロッパに住むシカです。シカは日本生まれですが、ここ20数年イギリス、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ドイツ、振り出しに戻る(イギリス)と流れてきました。カエルはフランス生まれです。詳しくは自己紹介ページへ。

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